芭蕉と杜国の話//Stories about Basho and Tokoku

KAWASAKI Masao

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川崎政夫

1941年、大阪生まれ。戦時疎開で椰子の実のようにぷかぷかと彷徨いながらこの地に辿り着いた。元英語の先生。渥美の人たちはここにはなにもないというが、そんなことはない、宝はいっぱいあると思っている。

一番好きな句は「春ながら名古屋にも似ぬ空の色」。この句には杜国の心がとてもよく表れていると思う。

杜国は芭蕉の愛弟子であり、名古屋の米商人。空米売買の罪に問われてこの地に来ました。最初は畠に住んでいて、後に保美に移ったと言われています(杜国屋敷跡が現存)。芭蕉は杜国が保美にいることを知り、この屋敷を訪ね、伊良湖まで歩いたと言われています。芭蕉や杜国に関心を持ったのは杜国顕彰会の先代会長が亡くなって、他に成り手がなく会長になってから。芭蕉や杜国が残した句のなかで私が一番好きなのは「春ながら名古屋にも似ぬ空の色」。この句には故郷を想う杜国の心がとてもよく表れていると思う。